【パティシエ直伝!】ウェディングケーキデザインの種類と決め方のポイント

ウエディングケーキのデザインの種類と選び方

結婚披露宴でゲストの注目を集めるウェディングケーキ。ケーキ入刀やファーストバイトなど、多くのシャッターチャンスで一緒に写るため、それを考慮してデザイン選びにこだわりたいですよね。

ただ、ウェディングケーキのデザインを決める際には見ておかなければならないポイントが多いです。そのため、どう決めていけば良いのか悩んでいるカップルさんも多いでしょう。

そこで今回は、結婚式場で多くのカップルさんのウェディングケーキを手掛けてきた経験を持つパティシエが、ウェディングケーキのデザイン決めのコツを紹介します。

寄稿者
Minori
調理師、製菓衛生師2つの資格を所有。
結婚式場の専属パティシエとして、数多くのオリジナルケーキを担当。また、ドレスやブライダルリングなどの販売経験も持ち、その経験から様々なブライダル関連の執筆を手掛ける。

ウェディングケーキの特徴

ウェディングケーキとは、ケーキ入刀やファーストバイトなどの儀式を行うために用意されるケーキのことです。

 

そのため、ウェディングケーキは「絶対に食べられるものでなければならない」という決まりはありません。この点が、バースデーケーキなどと大きく違う点となります。

実はこんなにある!ウェディングケーキの種類

ウェディングケーキと一口にいっても、実は様々な種類があります。それぞれの特徴を簡単にまとめると下記の通りです。

 

種類 メリット デメリット
生ケーキ ・すべてが食べられる材料で作られているので、ファーストバイトがしやすい

・最終的に全員で切り分けて食べられる

・長時間会場に飾っておけない

・高さを出すデザインは難しい

イミテーション ・派手なデザインに挑戦しやすい ・ゲストに配る用に別ケーキを用意しなければならないため、高くなる場合がある
マカロンタワー ・ポップな見た目がおしゃれ

・焼菓子なので、ある程度の時間飾っていても安心

・費用が高くなる可能性がある
クロカンブッシュ ・シューをタワー状に積み上げるから迫力が出る

・シンプルゆえにデザインや演出に融通が利く

・見た目が地味になりやすいため工夫が必要
シュガーケーキ ・おしゃれなデザインのケーキを作れる

・長期保存ができるので、持ち帰って飾ることも可能

・費用が高くなることがほとんど

・対応していない式場も多い

・好き嫌いが分かれる

どんなケーキを選ぶかで見た目や演出方法などが変わるため、種類ごとの特徴を理解しておきましょう。

生ケーキ

生ケーキ

一般的なケーキと同じように、食べられるよう作られているのが生ケーキタイプのウェディングケーキです。

最終的にゲスト全員に切り分けて配ることができるため、「幸せのおすそ分け」という意味から今は生ケーキの人気が高くなっています。

ただ、生ケーキの場合は衛生上の問題から長時間会場に飾っておくことはできません。

また、派手にしようと高さを出すと、スポンジが潰れてウェディングケーキが崩れる恐れがあります。そのため、高さのあるデザインには不向きです。

イミテーション

イミテーション

イミテーションは、ケーキ入刀やファーストバイトを行う部分のみ生ケーキにし、それ以外を食べられないもので作るウェディングケーキです。よく使われるのは発泡スチロールや石膏で、生ケーキのように崩れる心配がないため高さがあってゴージャスなデザインに挑戦できます。

一般的に、イミテーションケーキの作り方は下記の2タイプです。
石膏などを使用し、100%イミテーションで仕上げる
発泡スチロールなどを土台にし、本物の生クリームやフルーツをデコレーションする

どちらの作り方をするかは式場によって様々なので、イミテーションを検討している方は事前に確認をしておきましょう。

マカロンタワー

マカロンタワー

マカロンタワーは、カラフルなマカロンを敷き詰めておしゃれなデザインにできるのが特徴です。ポップな印象になるので、写真映えも抜群ですよ。

ただ、マカロンは焼菓子の中でもっとも難しいと言われるお菓子です。綺麗に作り上げるにはパティシエの技術が必要となるため、少し値段が高めになる場合もあります。

クロカンブッシュ

クロカンブッシュ

クロカンブッシュとは、小さなシューに飴をつけ、タワー状に積み上げたウェディングケーキです。

全体的に茶色くなって華やかさがないので、隙間に糖衣菓子として知られるドラジェやクッキーなどを飾っておしゃれさを補います。

中には、ホワイトチョコでコーティングしたシューを野球ボールに見立てて積み上げるなど、個性的なデザインにするカップルさんもいますよ。また、新郎新婦が積み上げられたシューを1つ1つはずしてゲストに配る、なんて演出も可能です。

地味なようですが、見た目や演出にアレンジを加えやすいケーキですね。

シュガーケーキ

シュガーケーキ

シュガーケーキは、パウンドケーキなどを土台にし、シュガーペーストやマジパンなどの生地をコーティングしたケーキです。

MEMO
【シュガーペースト】
砂糖に、卵白やゼラチンなどを合わせて練ったもの

【マジパン】
アーモンドと砂糖を練ったもの

シュガーペーストとマジパンは、どちらも粘土のような質感が特徴です。そのため、人形や花など様々なものを作れますし、食べることもできます。

日持ちするのも特徴で、ゲストに持ち帰ってもらったり、列席できなかったゲストに配ったりなども可能です。中身をパウンドケーキではなく発泡スチロールで作れば、結婚式の思い出として自宅に飾っておくこともできますよ。

ただ、食べられるといっても一般的なケーキではなかなか登場しない食材なので、食べ慣れていない方が多く好き嫌いが分かれる傾向があります。

ウェディングケーキデザインの決め方

ウェディングケーキのデザイン決めの参考にと画像検索をすると、数多くの作品がヒットします。華やかでおしゃれなものが多いので、「あのケーキ素敵!コレもいいかも!」なんて目移りしてなかなか1つに決められませんよね。

そんなカップルさんのために、ここからはウェディングケーキデザインを決める際のポイントを解説します。

テーマを決める

ウェディングケーキは存在感があるため、どんなデザインかで会場の雰囲気もガラっと変わります。だからこそ重要となるのが「テーマ」です。

テーマが決まれば、パティシエ側もおすすめのデザインを提案しやすくなります。そのため、ざっくりで良いのでお2人でテーマを決めてみましょう。

テーマの決め方は多様で、カップルさんによってかなり違ってきます。具体的にどんなものがテーマになり得るか、下記に例を紹介するのでぜひ参考にしてください。

好きな色や会場のテーマカラー
2人の思い出の場所
趣味
好きなキャラクター

ケーキの種類を決める

前述したように、ウェディングケーキにはいくつか種類があるため、どのタイプにするかを決めましょう。

ケーキの種類によって、デザインの向き不向きがあります。

例えば、生ケーキは土台が柔らかいので、重い人形を置くのが難しいです。割りばしや下敷きなどでケーキを補強して人形を乗せることもありますが、こうした場合はファーストバイトで誤食しないよう注意しなくてはなりません。

また、飴細工を飾りたい場合に生ケーキを選んでしまうと、生クリームの水分で飴が溶けてしまいます。

このように、ケーキの種類でできるデザインが変わってくるため、やりたいデザインに合わせてケーキの種類を検討しましょう。

予算とのバランスを見る

ウェディングケーキは、「基本料金+オプション」で値段が決まることがほとんどです。オプションを追加すればするほど費用もどんどん膨らんでいくため、予算とのバランスを見ながらデザインを決める必要があります。

具体的にウェディングケーキの値段に関しては下記の記事で詳しく解説しているので、併せてこちらもご覧ください。
ウェディングケーキの値段はどれくらい?元パティシエが相場や安く抑えるコツを徹底解説

後悔しないために!ウェディングケーキ決めの注意点

大満足のウェディングケーキを実現させるためには、打ち合わせ中にいくつか確認しておかなければならないポイントがあります。

具体的にどんなところを見ておくべきなのかは下記の通りです。

ゲスト人数に適したサイズを確保する

ウェディングケーキは、最終的に切り分けてゲストに配られることが多いです。そのため、必ずゲストの人数に合わせたサイズを選びましょう。

安くするために人数より小さいケーキを選んでしまうと、ゲスト全員分のケーキの切り分けが難しくなります。なんとか切り分けられたとしても1人分が非常に小さくなってしまい、ゲストに「ケチっている」という悪印象を与えてしまう恐れがあるため、注意しなくてはなりません。

また、十分に注意してもらいたいのが演出によるケーキのロスです。

ケーキ入刀やファーストバイトなどで傷ついた部分をゲストに配るのは失礼なので、切り分けの際にロスとして省きます。

「ケーキ入刀はかっこよく日本刀でザックリ切りたい!」
「ファーストバイトだけじゃなくてラストバイトもしたい!」

このような場合はウェディングケーキにたくさん傷が入ってロスが増えるため、ゲスト人数より少し大きめを選ぶなどの配慮も必要です。

ゲストが見やすいかどうかに配慮する

多くのゲストがウェディングケーキを見たいと思っています。だからこそ、ゲスト全員がウェディングケーキを見られるかどうかを事前に確認しておきましょう。

例えば、一段の生ケーキにイラストを描いたウェディングケーキを用意したとします。前列のゲストは見えたとしても、後ろの方に座る親族にはほとんど見えません。

そのため、広い会場で披露宴をする場合は、後ろまで見えるよう高さを出したデザインを選ぶと親族席まで見えて喜ばれますよ。

ただ、最近はモニターを使って会場全体にウェディングケーキを映し出してくれる式場もあるので、その場合は高さがないウェディングケーキでも安心して選べます。

必ずイラスト化してイメージを共有する

カップルさんが持っているイメージと、パティシエがヒアリングして思い描いたイメージとが合致しなければ、理想通りのウェディングケーキにはなりません。

万が一相違があると、当日になってから「思っていたのと違う…」と腑に落ちない気持ちのまま披露宴を迎えることとなってしまいます。

そうした事態を避けるためにも、打ち合わせの段階で必ずウェディングケーキのイメージをイラスト化してもらいましょう。

イメージの相違を防げるので、思い通りのウェディングケーキを用意できます。

【2020年版】最新ウェディングケーキトレンド

ウェディングケーキにも流行があります。結婚披露宴の写真は一生残るので、ウェディングケーキもトレンドに合わせておしゃれなものを用意したいですよね。

そこでここからは、2020年最新のウェディングケーキトレンドを紹介します。

ネイキッドケーキ

ネイキッドケーキ

ネイキッドケーキとは、生ケーキの表面にあえてクリームを塗らず仕上げたウェディングケーキです。スポンジとサンドされたクリームやフルーツが露わになり、シンプルなデザインとなります。

ガーデンウェディングや会場にたくさんの花を飾っているウェディングなど、ナチュラルな雰囲気によく合いますよ。

フルーツ断面ケーキ

フルーツ断面ケーキ

ウェディングケーキの表面に、輪切りにしたフルーツを貼り付けたデザインがフルーツ断面ケーキです。

フルーツごとに断面の色や模様が違うため、ウェディングケーキそのものがカラフルでポップな印象になります。カップルさんの中には、フルーツだけでなく押し花を貼り付けるというデザインもありますよ。

ドーナツケーキ

ドーナツケーキ

出典:ケーキ入刀に代わる演出☆ドーナツタワー | ニュース & ブログ | 【公式】ヴィラ・アンジェリカ|滋賀・近江八幡の結婚式場 –

ドーナツを積み上げて作られるドーナツケーキは、海外で注目度が高いウェディングケーキです。

「ウェディングケーキにドーナツ」というイメージが日本ではあまりないため、他の人とかぶりたくないカップルさんに人気があります。

また、ドーナツケーキは切り分けの必要がないため、新郎新婦がゲストに1つずつ配るなどの演出も可能。その上食べやすいので、ゲストからも喜ばれますよ。

カラードリップケーキ

カラードリップケーキ

出典:カラードリップケーキ | モーリスブログ | 結婚式の[THE MORRIS]のOfficial Blog

カラードリップケーキとは、ウェディングケーキの頂上からソースをかけて仕上げるウェディングケーキです。新郎新婦が一緒にソースをかけるという演出がトレンドとなっています。

ソースをかける前と後とで2つの雰囲気を味わえるため、お得感があるのが特徴です。

まとめ

ウェディングケーキには、いろんな種類・デザインがあります。さらに、ファッションのように年々流行も変わっていくため、どう選べば良いか悩みますよね。

しかし、テーマや種類、やりたいデザインなど様々なポイントを1つ1つ決めていけば、最終的に理想的なウェディングケーキのデザインに辿り着きます。

ぜひ本記事で紹介したポイントを参考に、思い出に残る素敵なウェディングケーキ選びに挑戦してくださいね。

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